のぶログ (THE WEBLOG WITH OSAKA DIALECT)

大阪人の、大阪人による、大阪人のため・・・のブログ!?

ブログランキング

ブログランキングに参加しています。 面白い!と思ったらクリックしてあげて下さいm(_ _)m



にほんブログ村 歴史ブログへ

にほんブログ村 歴史ブログ 地方・郷土史へ

にほんブログ村 歴史ブログ 近代化遺産へ

よろしく!








blogram投票ボタン






ブログ内検索

プロフィール

BEのぶ

  • Author:BEのぶ
  • 自称「ブログエッセイスト」ことBEのぶです。
    昭和史をライフワークにしていますが、平成ももうすぐ30年経ち、昭和が遠い過去になりつつあります。
    昭和も遺産・遺物を探れば立派な「考古学」となります。題して「昭和考古学」。ジャンルは遊郭・赤線跡から鉄道、そしてすっかり忘れ去られた歴史を掘る「昭和の考古学者」として、昭和の名残りを通して考察する旅を続けています。

    基本は標準語で書きますが、エッセイは大阪弁で書いていきます。

質問・お問い合わせはこちら

名前:
メール:
件名:
本文:

人気ブログランキング

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

■■■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■■■悲情城市

※「非情城市」と書いてたんやけど、よく見たら「悲情城市」でしたわ。訂正してお詫びしますm(__)m

たまたま部屋を整理してたら、中国から持って帰ってきたらしいDVDが山ほど出てきましたんやけど、
中には、
「こんなん知らんぞ・・・」
っちゅーのもあって、自分で何を持って帰ってきたんか、全然把握しとらんことが判明しました(笑

その中に、

「悲情城市」

ちゅー台湾映画のDVDもありましたんやわ。
思わずさっきまで見てもーてたんやけど、これは台湾映画の中でも有名な作品で、
アジア映画をそこそこ知ってる人やったら、説明不要っちゅーくらいの映画だす。
この映画の舞台はもちろん台湾、それも太平洋戦争が終わってから~中華民国が台湾にやって来るまでの4年間、
台湾人にとっては「空白の4年間」を題材にした映画なんやけど、
この4年間はできることなら台湾人は思い出したくない、歴史から消したい、っちゅーくらいの、言わば暗黒の時代を描いております。
これは映画が上演された時は、ちょうど台湾にもやっと表現の自由が許されて、
自由に映画が作れるよーになった時期でもあるんやけど、
その時に敢えて台湾の歴史のタブーに挑んだ映画としても有名だす。
なんちゅーか、これは台湾の歴史を知らんとわけがわからんと思いますわ。
そんために、この映画の背景も知ってもらうために、この映画のあらすじと共に台湾の歴史を勉強しまひょか。
* * *
台湾の歴史、中国とはまた違った複雑な歴史を歩んだ地域やけど、
この映画は1945年8月15日、昭和天皇の玉音放送と共に始まります。
なんで台湾に玉音放送やねん?
と思う方もおるかもしれへんけど、台湾は1895年の日清戦争の講和条約(下関条約)で清(当時)が、
「台湾なんかくれてやるわい」
と日本にプレゼントしましたんや。
下関条約は学校の歴史でもまあ必ずやってるけど、内容まで知ってる人は少ないんちゃいまっか?
ちゅーわけで、そこから1945年の終戦まで、

台湾は日本やった

っちゅーわけですわ。
この50年間は台湾の歴史に重要な意味が込められてて、今の台湾の基本インフラはすべて日本がこの統治時代に行ったことだす。
台湾は烏龍茶ってイメージもあって、高品質の烏龍茶はほとんど台湾製やけど、
これも台湾人と日本人の技術者や農民が汗水たらして努力した結果、品質に優れた烏龍茶ができましたんやわ。
そして、おもろいことに今でも台湾には日本文化が色濃く残ってます。
言葉にも日本語がふんだんに含まれてて、
寿司=すし
刺身=さしみ
茶碗蒸し=ちゃわんむし
忘年会=ぼうねんかい
おばさん=おばさん
おじさん=おじさん
運ちゃん=運ちゃん
コンクリ(-ト)=コンクリ

などなど、現役で何気に使われてる日本語がありますわ。
(こんなのはごく一部でっせ)
たまに台湾のラジオなんか聞くと、中国語やのになんか日本語言ってたよーな・・・
って不思議な感覚がすると思うけど、これは紛れもない台湾語(現地の方言)化した日本語だす。
これは、また中国語編とかで詳しく書いてみますわ。

そして、台湾に行った人がしばしば出くわす光景やけど、
たまにものすごく流暢な日本語で、おじいちゃんおばあちゃんに声をかけられる時がありま。
その日本語の流暢さ、ボキャ貧になった今の日本人の語彙力をはるかに超えた人さえおりますわ。
いや、「流暢」ゆーたら失礼でんな。
彼らは「元日本人」とか「日本語世代」ゆわれる、統治時代に教育を受けた人たちで、
平均年齢はもうかなり高くなってるけど、日本人を見ると日本語しゃべりたくてよく声をかけてきたりします。
その日本語は、なんか綺麗っちゅーか不純物なしの蒸留水みたいな感じで、
昔の日本語ってこんなにきれいやったんや、って自分が変な日本語(!?)しゃべっとるのが恥ずかしいくらいになりま。
ワシが台湾に住んでた頃の家の大家さんもバリバリ日本語世代、それも元特攻隊員志願兵やさかい、メチャクチャ怖い・・・(笑
「ボクはいつでも死ねるよ。だって特攻隊に志願した時点で一回死んでるからね~」
と豪語してるこのおじいちゃん、子供には日本語教育を施して、
子供はおろか3歳の孫まで日本語ベラベラっちゅー始末。
恐ろしいくらいの「日本語一族」でしたわ。

悲情城市は、日本人と台湾人が仲良く暮らしてた世界から、
日本が戦争に負けたことによって「中国」に復帰したことから物語が始まります。
舞台は台湾北部、「九イ分(チオウフェン)」っちゅー鉱山の町で、
そこに昔から住んでる地元有力者の一家の悲劇を描いとります。
そこの長男が家を取り仕切ってるんやけど、次男は戦争で戦死、三男も戦争に行って精神を病んで帰ってきて、四男は耳が不自由で、
こんな田舎の家族に中国という大きな化け物の襲来と共に悲劇がやってきます。

終戦によって台湾は日本→中国(中華民国)になったっちゅーわけやけど、
日本統治時代(台湾では一般に「日本時代」ゆーてます)とはうって変わって秩序が乱れ、物価は急上昇、生活がかなり苦しくなりました。
九イ分みたいな田舎町にもその影響が出てきて、大陸(中国)から来たゴロツキがやってきては町の平和を乱し始めたそうな。
町の「ヤクザ」な主人公一家は、日本時代は町の秩序を守る有力者として、
日本の警察にしょっぴかれながらも町の人からの人望はあったわけやけど、
海千山千の「中国人」がやってきたことによって利権を食い荒らされ、
最後には長男が殺されてしまいます。
戦争から帰ってきた三男も、精神的な病が癒えたとこで、
戦争で「同胞」を殺したっちゅーことで軍隊に逮捕され、
拷問されて完全に精神が死んで廃人になってまいます。
中国人のやりたい放題の暴挙に、台湾人は暗に中国から来た「同胞」を、「豚」と呼んでました。
「犬去りて豚現る」
っちゅー、台湾では有名な言葉があるんやけど、
これは「犬=日本人」「豚=中国人」のことで、
「犬はワンワンうるさいが番犬になって守ってくれる。
けど豚は食い散らかすだけだ」
っちゅー、暗に中国人を罵る言葉ですねん。
今でもこの影響は残ってて、「豚」と言えば中国人に対する最大の差別用語だす。

こんな感じで台湾にイヤな空気が流れてきたとこで、
台湾の歴史最大の闇と言われる
「二・二八事件」
が起こります。
これは、元々台北でヤミタバコ売りのおばあちゃんが、警察に殴られた事件をきっかけに、
普段から大陸から来た「中国人」に対する不満が大爆発、デモを行ったところ、軍隊が発砲して死者が出ました。
これで台湾中で「中国人」に対する一斉蜂起となり、「中国人」は台湾人によって殴られたり、殺されたりしたそうです。
せやけど、同じ漢民族のはずの台湾人と中国人、どないして区別しててん?って疑問が起こることでしょう。
この、同じ中国人のはずの彼らを区別するキーワードが、日本語なんですわ。
日本統治教育を受けた台湾人は、昭和19年時点で80%以上の人が日本語べらべらで、
日本語でしゃべりかけて反応を見たり、「君が代」を歌わせたりして台湾人か中国人か区別してたそうな。
日本語がしゃべれん=中国人と見なされて、リンチの対象になりました。
映画の中でもこれが描かれてて、一家の四男は耳が不自由で言葉がしゃべられへんのやけど、
列車の中の「日本語検査」で引っかかり、あやうくリンチされるとこやった、っちゅー光景がありま。

で、この「二・二八」事件は最悪の結末を迎えますんやわ。
この台湾人の蜂起に当時の中華民国は軍隊を投入、軍隊は逆に台湾人と見ると容赦なく殺していきました。
その数は、3万人とも5万人とも、10万人とも言われてて、
今でもはっきりとした犠牲者の数がわからんっちゅーくらいだす。
この弾圧で、銃で撃たれながら台湾から日本の石垣島まで泳いで逃げたって人もおるくらいだす。
この事件によって、「外省人」言われる中国から来た人と、「本省人」言われる現住の台湾人との溝が決定的になって、
今でもその影響は残ってるくらい深い対立となりました。

この事件が終わってからも、勝手に罪をでっち上げては台湾人を捕まえて、暗黒裁判で即死刑になって、
日本の大学を卒業したような知識人は殺されたり海外に逃げたりしました。
この知識人の虐殺や海外流出で、台湾の発展が30年遅れたって言われとります。

そして1949年、大陸では中華人民共和国が成立、事実上大陸を追い出された中華民国は台北に亡命、臨時政府を作りました。
映画の背景はここで終わりなんやけど、
ここから今でも何だかんだで中華民国は台湾に存在します。
台湾は中国やとか、いや、独立国や、とか議論があるけど、
今の台湾は紛れもない「中華民国」やろ、っちゅーのがワシの個人的な所感だす。
もちろん、「中華民国」っても今はすっかり台湾化して大黒柱がすっかり入れ替わった中華民国やけど、
これは台湾に行ってみたらわかると思いま。

こんな感じで、たった4年間なんやけど、台湾にとっちゃごっつい濃い4年間っちゅーわけですわ。
中国の歴史は知ってても、台湾の歴史を知ってる人はあんましおらへんと思いま。
一時期台湾ブームみたいな感じで台湾に旅行に行く人が増えたけど、
こないな歴史を頭に入れて行くと、旅行が数倍面白くなりまっせ。
日本と密接なつながりがある台湾、ある意味日本人にいちばん優しい外国やと思いますわ。
突然日本語でじいちゃんばあちゃんが、
「あんた、日本人かい?台湾へよくいらっしゃったね」
と孫にしゃべりかけるように話しかけてくる時があるけど、
その時は驚くとは思うけど、
(この予備知識があっても、実際出くわすとビックリしまっせ)
日本語で思いっきり話してあげましょう。

ちなみに、この映画の舞台になった「九イ分」は、今はものすごい観光名所になっとります。
町ごと映画のロケセットになったさかい、映画そのままの風景画広がって、
映画を見て行くと臨場感があふれますわ。
日本の剣玉とか水鉄砲とかが何故かそこ名物で売ってたり、日本時代の家が保存されてたり、
九イ分のもっと山奥の「金爪石」というとこに行くと、ボロボロになった神社があったり、
昭和天皇ゆかりの温泉があったり、
(昭和天皇は皇太子時代に台湾漫遊の旅に出ております)
より濃い「日本」が味わえると思いますわ。
日本人が行くと、初めてやのに「ただいま~」って感覚になってまいますわ。それくらい懐かしい雰囲気だす。
一度映画を見て、台湾に行く機会があったら九イ分に行ってみたらどないでしょうか?台湾に行くっちゅーより、日本人がどっかに置いてきた忘れ物を取りに・・・。
スポンサーサイト

テーマ:DVDで見た映画
ジャンル:映画

コメント

■ 

>omiidonはん
20年前ったら、40代でも「外省人=中国人」以外のほとんどの人が日本語しゃべれたことになるさかい、そりゃゴロゴロしてましたやろなー。
omiidonはんが台湾のどこに行ったかは知らんけど、山奥の原住民の共通言語は今でも日本語ってくらい、日本語は残ってますわ。文字がなかった彼らは、今でも文字にカタカナを使ってる部族もおって、これまたビックリしまっせ。
台湾は、日本だけやのーて、本家中国ではもう滅びた(いや、自爆でんな)中国のええ習慣が残ってる地域でもあるさかい、もう一回歴史を勉強して行ったらまたおもろいと思いますわ。
2005/10/27 URL のぶ@大阪 #- 

■ 

のぶさん、すごく勉強になりましたゎ
20年近く前に台湾旅行、会社から連れてってもらいました。
そういえば日本語がよく通じて、??と思ってましてん。
虐殺もあったなんて、びっくりですけど、今あるおかげを感じます。
2005/10/27 URL omiidon@ケータイ #- 

■ 

>MJはん
来月台湾でっか。そりゃ羨ましいでんなー。
台湾はええとこでっせ。寒くても冷房かけるとこが玉に瑕やけど、中国のよーで中国やない、むしろ日本的なものさえ感じる、
これが一言で言える台湾ですわ。
中国の文句を言う人はいっぱいおるけど、台湾の文句を言う人はほとんど聞いたことないくらいやさかい、是非楽しんできてくんなはれ。
「非情城市」はTSUTAYAやとアジア映画のとこにありますわ。うちの家の近くのとこにも、DVDで置いてました。
正直台湾の歴史がわからんとチンプンカンプンな映画やけど、日本とのつながりもあって、意外な日本とのつながりに目からウロコが落ちると思いますわ。
2005/10/26 URL のぶ #- 

■ 

毎度です
ノブさんグットタイミング
来月台湾に観光で行で行くことになってまっ
ツアーの申込からなにから全て友人まかせっきりで、全く台湾の知識ないんやけどたしか「九份」もコースに入ってましたわ
これから「非情城市」レンタルビデオ探して見てみますわ
ほんでせっかく行くんやから台湾の事、日本と台湾の関係少しは勉強してから行きますわ
2005/10/26 URL MJ #Z5QBPsx6 [編集] 

■ コメントの投稿










トラックバック

≫ http://parupuntenobu.blog17.fc2.com/tb.php/142-56ed728e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。